取るに足らない小噺ブログ

クスリとしていただきたくしょうもない小噺を提供します。

2020-07-01から1ヶ月間の記事一覧

朝散歩

早朝、散歩に出かけた。普段はあまり起きていない時間だ。鳥のさえずりが聞こえる。通勤通学時間にはまだ早く、道路が広々と感じる。途中、ジョギングコースがあるような大きな公園に寄った。この時間、思いのほか散歩をしている人が多く、公園内は活気があ…

除湿

クーラーの欠かせない日々を過ごしている。じめじめと茹だる暑さだ。腹がびちゃびちゃになる。サウナ上がりの人と遜色がない。冷房のスイッチを入れる。ひんやりした風下で、ぼーっと立っている。ささやかな幸せ。 クーラーのリモコンには除湿スイッチがある…

セミが道に寝転んでいると怖い

築年数20年ほどのアパートに住んでいる。3階立ての3階に。階段は、少し心許ない。歩き方によってはすごく揺れる。力強く歩く人は、家の中にいる私にも階段を登ったり降りたりしているのが分かる。小心者の私は、忍び足で歩く。 朝5時、太陽はそこそこでてい…

発狂

山月記で李徴は発狂した。「或夜半、急に顔色を変えて寝床から起上ると、何か訳の分からぬことを叫びつつそのまま下にとび下りて、闇の中へ駈出した。」 東京で私は発狂した。『或夜半、急に車を借りて駐車場をでると、何か訳の分からぬ歌を叫びつつそのまま…

声無き声

フローリングが言った。 「おまえの足裏、歩くたびにねちょねちょいいよる。」 パソコンのキーボードが言った。 「どんだけ手垢つけるんだよ。」 冷房が言った。 「働きすぎで疲れるわ。」 歯ブラシが言った。 「ロックンロール。」 便座が言った。 「こんな…

知らず知らずのうちに傷つけてしまったり

上京して約4か月になった。コロナの猛威により、外出自粛を余儀なくされている。家にずっといる日々。独り言を呟く日々。くだらない話を気軽にできる環境が自分にとっていかに尊かったか身に染みている。言葉を発する機会を失った反動であろう。夜のお風呂場…