取るに足らない小噺ブログ

クスリとしていただきたくしょうもない小噺を提供します。

登山はなめたらあかん

 年末に登山をした。計画的ではなく、友人とふと思いたってからだ。ベテラン登山家にはふざけるなと言われそうだ。計画性を持って行動することを今年の目標の一つにしようかしら。野呂山という山に登ることにした。理由は家から近いからだ。こう見えてアウトドア派の私は、リュックも登山靴も持っている。形から入りたがるのだ。登山靴は相性が悪いのか過去靴ズレで痛い目に合わされている。今回は靴下がフィットするものを選ぶという対策をした。過去の失敗は繰り返さない。靴ズレほんまに痛いから。冬の山の頂で食べる汁物はたまらない。バーナーとライターもリュックにいれた。準備万端。

 

 登山口まで車で移動。途中コンビニで、おにぎり、インスタント味噌汁、水、お茶を購入した。インスタント味噌汁をすする姿を妄想。心があったまる。標高は、839m。道の全長は、3kmにも満たない。多く見積もって、上り1時間30分、下り1時間くらいかな。楽勝だと思っていた。

 

 登りはじめは、舗装された道。ゆるやかな傾斜。談笑しながら進んでいく。山登りというよりピクニックのような気分。すがすがしいねー。やっぱり、自然はいいねー。と呑気な気分。しばらく行くと二手に道が分かれていた。かぶと岩コースとどんどんコース。なんとなくどんどんコースの方が大変そうな気配。もちろんどんどんコースでしょ。完全に調子に乗っていた。

 

 川を飛び石で飛び越えたり、手を使わないと登れないほどの傾斜だったり、崖っ淵を通ったり、想像を遥かに超えるコースだった。身体から湯気がでるほど険しい道だった。どんどんどころではない。登山初心者は調子に乗って来ないでくださいよコースだった。

 

 山頂に着いた。瀬戸内海を見渡せる景色。くたくたの身体。汗をかいたまま冷たい風にふかれ凍えた身体。味噌汁であったまろうではないか。バーナー、ライターを準備した。あれ、水を入れるやかんは?衝撃的な事実を目の当たりにした。計画的に考えず、準備を入念にしなかったことによる悲劇だ。やかんがないなんてあかんやん。身体をあっためる手段を完全に失ってしまった。

 

 靴ズレはしなかったが、味噌汁は飲めなかった。次の課題はやかんを準備することだ。登山は計画的な準備をせんとあかん。