取るに足らない小噺ブログ

クスリとしていただきたくしょうもない小噺を提供します。

葉巻を嗜む

 お笑い芸人オードリー若林さんの著書『表参道のセレブ犬とカバーニャ要塞の野良犬』を読了した。キューバで葉巻を嗜んだらしい。またしても人に影響されるという信念により、葉巻とはいかなるものか、好奇心がニョキニョキと芽生えた。

 

 調べてみると、シガーバーなるものが日本にはあるではないか。ここで、葉巻を吸えるらしい。いざ参る。ビビリでチャーミングな私は、友人にお供をお願いしてシガーバーの門をくぐった。

 

 店内は薄暗く、高貴な雰囲気。紳士的なウェイターが出迎えてくれた。ソファーはふっかふかで、ガラスのテーブルには、ろうそくが灯されている。ダンディズムな場所はどこという問題の答えは、ここである。ゴッドファーザーのようないかついおじちゃまたちが夜な夜な会合をしているに違いない。まずは、ドリンクをオーダー。モヒートをお願いする。もちろん、オードリー若林さんの影響である。葉巻のメニューは来なかった。

 

 モヒートが出てきて暫く経ち、ウェイターさんに葉巻について尋ねた。いつでも店の入り口付近に展示してある葉巻をご覧くださいと言われた。そのあと、メニュー表も持ってきてくれた。メニュー表からオーソドックスそうなものをチョイスした。モンテクリストのNo.1だ。するとウェイターさんは、吸うのに時間がかかるので、No.4はどうですかと返された。では、それでお願いします。とことん、身を委ねる。プロに任せておけば問題ない。

 

 葉巻が到着した。ウェイターさんにご指導ご鞭撻承りながら、葉巻に火をつけた。友人と葉巻が来るまでにこっそりスマホで調べておいた吸い方を実行する。煙を飲み込んではいけないらしい。葉巻の味が口に広がる。マンダム。葉巻を吸う自分大人やなあと酔いしれる。このとき、人類がタバコを吸い始める理由を悟った。かっこつけたいからだと。

 

 小一時間友人とたわいもない話をした。ちびちびモヒートを飲みながら、葉巻を嗜んだ。ゆったりと大人の遊びを満喫。お会計は、五千円。値段も大人だった。