取るに足らない小噺ブログ

クスリとしていただきたくしょうもない小噺を提供します。

大丈夫詐欺

 夜道でチャリンコをゆっくりこいでいた。ノロノロ進んでいく。自分のバランス力を過信した。雑木に突っ込むように横転した。この恥を一番間近で見ていた親切な青年が、「大丈夫ですか?」と声をかけてくれた。どう見ても大丈夫じゃない。足は擦りむき、出血。やたらくっついてくる葉っぱまみれ。そして、自転車で横転しているというダサさ満点のポーズ。咄嗟に口からでた。『大丈夫です。』大丈夫とは真反対の状況でどうどうと嘘をついた。

 

 電車の座席に座っていると隣のOLさんのスマホが着信音を鳴らした。OLさん即座に電話にでた。「はい、もしもし。はい、あっ、大丈夫です。」おそらく、電話の相手はこう言ったのだろう。「もしもし、〇〇さん、今お電話大丈夫ですか?」全然大丈夫ではない。電車内での通話はマナー違反だ。大丈夫ではない状況でどうどうと嘘をついた。

 

 大丈夫詐欺が横行している。