取るに足らない小噺ブログ

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かろうじて代打で試合に出る私の作戦

 私はかつてソフトボールチームに所属していた。チームでの役割は、応援、三塁コーチ、代打でかろうじて試合に出る、敗戦処理投手である。代打に関しては画期的な作戦を編み出していた。

 

 まずはバッターボックスでおどおどする。これによって、相手がいいピッチャーであれば、外角低めに速い球を投げてくる。外角低めは、まぐれで当たっても飛びにくいコースだからだ。そして、この球に対してタイミングが合っていないフリをして空振りをする。しかし、これはフリだ。こっそり球の軌道とタイミングをとっておく。さあ、準備は整った。次の球、間違いなく同じ球がやってくる。ピッチャーから見ると、打てそうにない控えのバッター、球数も使いたくない、まぐれが起きても安全なコースに投げたい。これらの要素が重なり外角低めに速い球がくる。先程の軌道とタイミングを頭で反芻して思いっきり振り抜けばよい。

 

 作戦は完璧だった。たしかに2球目に外角低めに速い球がくる。だか、私は技術不足だった。ファールを打ってしまう。

 

 かろうじて代打で試合に出る選手のあなた。この作戦、使えますよ。