取るに足らない小噺ブログ

クスリとしていただきたくしょうもない小噺を提供します。

家の壁の中

 深夜3時。ハッと目が覚めた。こんな時間に起きてしまうと、なかなか寝付けない。寝よう寝ようと意識するほど、寝ることが難しくなっていく。布団の中で、せわしなく体勢を変えていると、ふと、窓側の壁の方がガサガサと音を立てた。背筋がゾッとする音だ。ゴソゴソ、ゴソゴソ。眼鏡をかけて、電気をつけた。そして音のする壁に近づいていった。おそらく、ここら辺と目星をつけたあたりに聴力を集中させる。ガサゴソ。生命体の気配を感じる。想像では、ネズミではないだろうか。怖すぎる。その日は、その音のせいでより寝付きが悪くなってしまった。最近聞こえなくなっているが、このまま二度と聞こえないことを願う。