取るに足らない小噺ブログ

クスリとしていただきたくしょうもない小噺を提供します。

Radwimpsの棒人間が沁みますねえ

 私はコミュニケーションが苦手だ。コミュニケーションが上手くできない経験から苦手意識をもち、苦手意識のせいで、コミュニケーションの入口の部分で失敗し、ますますうまくいかない経験を積んでいく。負のループから抜け出せない。

 

 本日、献血にいき、こんなしょうもない人間でも誰かの役に立てているかもしれないという希望を生きる拠り所にしようとした。しかし、優しい看護師さんのせいで私は撃沈してしまった。

 

 看護師さんは、私に利き腕を尋ねた。献血をする前に血の簡単な検査を、利き腕と逆の腕の指先で行うためだ。私は戸惑った。「生まれつきは左利きですが、字を書くのは右手です。箸はどちらも使います。歯磨きやはさみは左ですね。あと投げるのも左です。あっ、バスケットボールのレイアップも左の方が感覚がいいです。でもスマホは右手で操作します。サッカーは、蹴るの右脚ですね。あっ、利き腕だから利き脚の話ではないのか。まあ要するに、大半は左手ですけど、いくつかは右手になりますかね。」とは言えない。まごついていると、看護師さんは、細かい作業をするのはどちらの手ですかと尋ねてきた。またまごついてしまった。両利きなんですか。すごいですねと看護師さんはフォローしてくれた。私は頬の筋肉を痙攣させながら偽物の笑顔で対応した。

 

 献血の最中も看護師さんは私に色々と尋ねてこられた。今日はどうやって来られたんですか。GWはお休みなんですか。フラワーフェスティバルには行かれましたか。私はうまく答えられない。気まずい沈黙が度々生まれ、私は罪悪感を募らせていく。

 

 体内の血液とともに、私の自尊心も血液パックに閉じ込められてしまった。