取るに足らない小噺ブログ

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第一種戦闘配置

 我が住居は、玄関のドア一枚とアコーディオンドア一枚。言い換えれば、第一防壁と最終防壁である。この二つを突破されると、私は外敵と接触してしまう。緊急事態である。第一防壁が突破された。

 

 侵入者を特定。アブだ。急旋回を繰り返している。外敵誘導装置(蛍光灯)の電源をオン。誘導成功。外敵を第一防壁の外へ追い出す作戦、通称、玄関奪還作戦の決行だ。f:id:koritsukei:20210118170758j:image

 

 最終防壁を展開しつつ、第一防壁を開放。外敵誘導装置をオフにする。あとは祈る。出てってくれ。作戦は失敗。目標は微動だにしない。続いて、本を扇いで風を送る。ダメだ、目標は逆上して頭上を旋回。結局元の位置に戻ってしまう。

 

 そうだ、我が家には超強力風力発生装置(ダイソンのドライヤー)があるではないか。風力発生装置の威力は絶大だ。わたしの皮膚を陥没させることもできる。目標に向け、装置作動。凄まじい風に目標は抗う術がなかった。玄関奪還作戦は成功した。

 

 気付けば1時間経っていた。壮絶な死闘だった。