電車で席に座っていると大きな荷物を抱えたおじちゃんが乗ってきた。荷物は青い発泡スチロールの箱で両手で抱えるくらいのそこそこの大きさ。
おじちゃんは、わたしの目の前に立ち、箱を私の真上にある荷物棚に載せようとした。次の瞬間、箱はつるんと腕をすり抜け、隣に座っている人に落下した。けっこうびっくり。思わずびくんとなった。
おじちゃんは隣の人に謝り、再度荷物棚に箱を載せた。今度は、うまくいった。しかし、普段は意識しない荷物棚から凄まじいプレッシャーを感じる。
私の真上には、先程落下した箱が置いてある。物理的に私に落下することはありえない。目を瞑り、寝ようとするが、寝れない。少しドキドキする。
駅についた。電車を降りるのにこんなに安堵するとは。数ヶ月に一回ほどある無駄なビビり。バナナの皮に足を滑らせるくらいありえない。