取るに足らない小噺ブログ

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理想の先生像を原フジ子に見る

 井上雄彦先生の作品である漫画「リアル」。その主要キャラの一人である高橋久信。彼は交通事故による脊髄損傷からリハビリを行い、車いすバスケに興味を持ちはじめる。11巻では、リハビリの体育を担当している原フジ子先生とのやりとりが描かれている。

 

 原フジ子先生は、高橋久信車いすバスケに興味を持ちはじめていることに気付く。しかし、車いすバスケをやってみるか?といった声かけはしない。夜体育館にこっそり忍び込んでバスケットゴールをぼーっと眺めていた高橋久信に、罰として競技用の車いすを片付けておくよう指示して姿を隠す。

 

 高橋久信は片付けておくように言われた競技用の車いすに乗り移ろうとする。原フジ子先生は隠れてその様子を見守っている。

 

 競技用車いすに乗った高橋久信。競技用車いすが思うように操作できないことを実感する。すっと原フジ子先生が出てきて尻をかきながら話をする。「そいつを手なずけてみろ 高橋久信

 

 原フジ子先生はけっしてやってみなよとは言わない。しかし、やりたいだろうという気持ちを察知してそれができる環境だけを準備する。すると高橋久信が自分の意志すなわち内発的動機づけによって行動する。

 

 こんな素敵なやりとりができるようになりたい。ひとまず尻をかくところからはじめることにする。