取るに足らない小噺ブログ

クスリとしていただきたくしょうもない小噺を提供します。

銭湯の番台のおじちゃん

 銭湯の入浴料は470円。番台のおじちゃんは、10円玉を3枚重ねたものをたくさん机の上に置いている。お客さんが500円を渡すと、おつりとしてその10円玉3枚がさっと手渡される。実に合理的なシステムである。

 

 私はここ数日のっぴきならない事情により毎日銭湯に通っている。毎回たまたま500円玉を持っていて、いつも500円を渡していた。

 

 ところがこの日は違った。私は、小銭を出そうとして財布の中を見た。ない、小銭が全然ない。お札を出すしかない。「すみません、お札しかなくて…。」いつも和やかな雰囲気のおじちゃんが、キッと睨みつけてきた。「うちは小銭しか受け取れないよ。銭湯来るのに大金持ってくるんじゃないよ。」

 

 妄想では、お札だと銭湯で怒られる。おそらく怒られることはない。だが、妄想のせいでびびっており、銭湯に行く前は財布の中身チェックが欠かせない。