取るに足らない小噺ブログ

クスリとしていただきたくしょうもない小噺を提供します。

怖い話

 夏といえば、怖い話である。

 

 私は、中学校に勤めている。とある夏の夜、深夜まで残業をしていた。気付けば、日付が変わってしまっている。これはいけない、戸締りをして帰ろう。セキュリティをかけようとするが、一箇所ドアが閉まっていないと表示が出る。理科室の扉だ。離れの棟の2階にある。めんどくさいと思いながらも、スマホの懐中電灯を照らしながら廊下を歩いていく。2階に上がっていく階段の途中、背筋がゾッとした。何やら嫌な雰囲気だ。早歩きで階段を上がり、扉の鍵をかけてまた、セキュリティをかけようとした。あれ、また理科室の扉が閉まっていないと表示されている。不気味だなと思いつつも、また理科室に向かった。鍵をかけ、階段を降りていく。ふと視線を感じた。1階と2階のちょうど真ん中に大きな鏡がある。そこを覗くと私の両肩を掴んでいる長髪の女がうつっていた。ぎああーーー。私は死に物狂いで走り、学校を飛び出した。学校の近くに住んでいる同僚を電話で呼び出し、一緒にセキュリティをかけてもらった。帰宅して風呂場で鏡を見た。私の両肩には掴まれた跡がはっきりとあざになって浮かび上がっていた。

 

 怖い話って難しい。