取るに足らない小噺ブログ

クスリとしていただきたくしょうもない小噺を提供します。

奇跡は突然に

 

アメンボは、水面をスイスイと移動する生物。奇跡を目の当たりにするまでそう思っていた。

 

久しぶりに池の水面を眺めていた。日の光も柔らかいポカポカした陽気に...。アメンボを久しぶりに見た。水面を滑空する姿をじっと見ていると、なんとハスの葉に乗っかったではないか。アメンボは、水面だけじゃなく、葉の上も移動できるんだ。少し衝撃を受けた。

 

 数日後の車で通勤している途中。小さな渋滞で車を停車させた。するとフロントガラスに小さくコツンと音がした。音の方を見ると虫がくっついている。いや、よく見るとアメンボだ。あの数日前に見たアメンボのシルエットにそっくりだ。アメンボちゃんは言った。「僕は水面だけじゃなく、地面も移動するんだよ。それに空だって飛べるんだよ。」渋滞が解消され、車を発進させた。気づくとアメンボは消えていた。あいつは、空も飛べるんだ。アメンボは空を飛ぶ。