取るに足らない小噺ブログ

クスリとしていただきたくしょうもない小噺を提供します。

瞬間、心、ときめく

 毎週木曜日は古紙回収の日だ。段ボールも回収される。4月引っ越し後の段ボール空箱をまとめて出すことにした。

 

 この地域では、紙紐で段ボールをくくるルールらしい。初ルール。紙紐を買いにお店に向かう。売り場が分からず、見つけるのに時間がかかった。見つけた、君はそんなところにいたんだね。心、ときめいた。

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 帰宅して、段ボール縛りに取り掛かった。紙紐の端をしゅるしゅる出そうとする。否、端が見つからない。ここから取り出してくださいという矢印が紙紐を包むビニールに描いてある。でも、見つからない。なんて、シャイなんだ。君の内面を引き出したい。でも、君は内面を晒そうとはしない。業を煮やして適当な箇所を引っ張ってみた。すると、なんと端っこではないか?なんで‼︎心、ときめいた。f:id:koritsukei:20200617174508j:image

 

 なんてこった。紙紐に惚れているのか⁉︎段ボールに紙紐をかける。しっかり、縛らないと。強く紐を引っ張りながら縛る。このとき、忘れていた。まだ、君(紙紐)のことをよく分かっていなかったことを…。ぶちんといってちぎれた。紐がちぎれた。私も壁にエルボーをかました。ゴンとかました。激痛だった。我々の関係は瞬く間に終わりを告げた。瞬間、心、はなれる。