取るに足らない小噺ブログ

クスリとしていただきたくしょうもない小噺を提供します。

羞恥心と好奇心の闘い

 お台場のとあるショッピングモールの7階にスケボーのパークがある。そこでは、スケボースクールが開催されている。スクールはビギナー、ミドル、ステップアップ、エキスパートとレベルアップしていく。スケボーを一人でコソコソと練習しているが、ちっとも上達しない。スクールに参加して教えてもらおうと考えた。当然ビギナーに申し込む。

 

 お台場に向かう途中、なんとなく嫌な予感がした。このビギナークラスに大人は参加するのだろうか。私は31歳のそこそこおじさんである。まさか、ちびっ子しかいないのではと想像した。笑える、ちびっ子の中に一人だけおじさんがいる。すでに電車内で不気味な笑みを浮かべるおじさんである。

 

 受付に到着。手続きを済ませる。スケボーとヘルメットとサポーターをレンタル。サポーターの付け方分からず、適当に装着。関節の動きがぎこちなくなった。開始まであと5分。スケートパーク横のベンチで待つ。電車での想像は完璧に当たった。小学生以下しかいない。スクールの時間となった。

 

 先生があらわれ拡声器で集まってくださいと叫ばれる。ちびっこたち全員集合。一人私だけおじさん。先生が私に問う。「保護者の方ですか?」私は子どもを授かった記憶がない。『いえ、違います』何となく気まずい雰囲気。

 

 準備体操が終わった。ビギナークラスとミドルクラスの合同クラスだったため、そこからさらに人数が分けられた。私は小学1年生くらいの子2人と小学6年生くらいの子1人という構成のグループに割り当てられた。先生の腕にはチラリとタトゥーが見えたが、優しい方だった。スケボーの乗り降り、スタンス、プッシュ、ターンなどを教わる。なんとかおじさんここまでついていけた。

 

 続いて坂道を登って下りるという練習である。これ、思ったより怖いのである。スケボーへの体重のかけ方間違えると大転倒。過去何度かスケボーが吹っ飛んでいったことがある。おじさん、先生に手を握ってもらいながら坂道を登り下りする。なかなかシュールな光景である。少しずつ慣れて、手を借りずにできるようになった。なんとかビギナークラスの全ての技を合格した。

 

 スケボースクールは、ちびっ子しかいない。おじさんは恥をかいた。しかし、スケボー面白い。羞恥心と好奇心で後者が勝利したら、ミドルクラスに行ってみようかしらん。