取るに足らない小噺ブログ

クスリとしていただきたくしょうもない小噺を提供します。

初スノボーは誰と行くべき?

 2年前、北海道に旅行に行くことになった。日程の中にスノボーがある。まずい、人生で一度もやったことがない。真っ白なゲレンデで優雅に舞いたい。滑り終わりにゴーグルを外してフーってやって、キラキラってなりたい。要するに、カッコつけたい。コソ練をすることにした。

 

 職場の同僚と人生初のスノボーに行った。同僚は、マイボードを持っており、スイスイ滑れる。かたや初体験の私。同僚だけが頼みの綱だ。リフト乗る時点で心臓が弾けそう。『やっぱ、ボード外して乗ります。』スノボー経験者は、片足にスノボーをつけたままリフトに乗る。私は、直前でビビって外した。ボードを脇に抱えてリフトに乗った。

 

 リフトを降りてすごく緩やかな斜面で練習。びっくりする、全然できない。立つこともままならない。立ってコケて立ってコケて立ってコケた。ギャグではない。頼みの綱は思ったのだろう。こいつに教えてもうまくなる見込みはないと。「ゆっくり降りてきてください。一回滑ってきます。」視界からスーッと消えていった。

 

 スノボー初心者は絶望した。頼みの綱がいなくなり、どうやって滑ったらいいかも分からない。10m進むのに10回コケた。行きたい方向と真反対の崖へと向かっていく。泣きたい。頼みの綱は怨敵へと変わった。

 

 必死に周りを見てどう滑るのか考える。必死にバランスを取る。なんとか木の葉滑りというやつでリフト乗り場に帰ってこれた。「おっ、滑れてますね。うまいです。(笑)」怨敵は、ニヤニヤしていた。

 

 やるしかないという環境に追い込まれるのが、案外上達できるのかもしれない。追い込んだ相手を憎むことにはなるが…。