取るに足らない小噺ブログ

クスリとしていただきたくしょうもない小噺を提供します。

バレンタインデーの思い出

 バレンタインデーが近い。私にはほとんど縁もゆかりもないイベント。20年前に一度だけドキドキすることがあった。

 

 小学5年生で迎えたバレンタインデー。まだあの頃は、この年に一度のイベントで、期待に胸を膨らませて学校に行っていた。何かが起こるのではないかと。その何かは朝の下駄箱で起きた。なんと手紙が入っていた。周りにはクラスの子がいる。手紙をそっとポケットに隠した。中身はまだ見れない。

 

 授業中、ずっとソワソワしていた。誰だ、誰からの手紙だ。手紙の内容は何だ。そればかりが頭を巡っていた。

 

 学校では、手紙を見るチャンスが見つからなかった。放課後、家に猛ダッシュで帰った。自分の部屋に直行。息を弾ませながら、大事に持って帰った手紙の封を開けた。

 

 今日の18時に下駄箱に来なかったらコロス。

 

 可愛らしい字でえげつない一言が書かれていた。ただ、私の門限は17時。真面目な私は、門限を守ることを優先して行くことを断念した。この日からしばらく殺害予告に怯えて生活することになった。こんな一言を書く人怖すぎる。

 

 私の人生の最後は、この可愛らしい字の持ち主にコロサレル運命だ。