取るに足らない小噺ブログ

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ソフトボールピッチャーデビュー

 5年前、地元のソフトボールチームに所属していた。大学生の一夏をウィンドミル投法に捧げた男のデビュー戦が幕を開けた。

 

 相手は、大学の体育会にあるソフトボールチーム。我がチームの所属するリーグ戦でぶっちぎりの一位。相手ピッチャーの球は、空気を切り裂く音がするほど唸っている。私が所属するチームは、リーグ戦最下位。ピッチャー不足という問題を抱えていた。点差が開けば登板のチャンスはある。これまでに何度か試合に参加していたが、全てベンチを温めていた。つまり、私はチームの秘密兵器というわけだ。ベンチウォーマーではない。

 

 圧倒的点差がつき、5回裏。ついに私の出番がきた。マウンドから投球練習。いける、調子がいい。はじめのバッター。渾身の球を投げ込んだ。「ストライーク」、審判がコールする。我ながらいい球だと思ったそのとき、相手ベンチが、バッターへ叫んだ。「ピッチャー、チェンジアップあるよー。」

 

 待て待て、私は全力のストレートを投げたのだ。チェンジアップなんて変化球は投げれない。ていうか、チェンジアップって遅い球やないかーい。

 

 そのあとフォアボールを連発、ホームランを2本打たれコールド負けとなった。私のストレートは遅すぎた。