取るに足らない小噺ブログ

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慣性の法則

 かの有名な科学者アイザックニュートンは、運動に関する法則を3つ発表した。その第一法則に示されているのが、慣性の法則。運動方向に対して力がはたらかない場合、物体は運動状態を維持し続けるというもの。車などの乗り物が急発進する際や急停車する際に実感できる。

 

 急発進する際には、物体(乗り物の中の乗客)は、静止していた状態を維持し続けようとして進行方向と逆向きに倒れそうになる。急停車する際には、物体(乗客)は、進んでいる状態を維持し続けようとして進行方向に向かって倒れそうになる。

 

 バスに立った状態でしばらく乗っていると、何度も慣性を実感できた。あまりに慣性を実感しすぎて吊り革が引きちぎれそうになるくらい体勢を崩してしまい、隣の人に勘弁してくれよといった表情で見られた。「すみません、慣性のせいです」と言いたかったが、そこは言わなかった。「アイザックニュートンは、バスのない時代によく慣性に気づきましたね」と返してほしかったが、そんなやりとりはなかった。