取るに足らない小噺ブログ

クスリとしていただきたくしょうもない小噺を提供します。

変な汗をかきすぎた

 自分の放つ体臭がどのようなものかは、自分では認識しづらいものです。常々嗅いでいるからでしょうか。

 

 朝、日差しに眼を細めながら通勤していきます。長袖でも涼しい季節です。長い距離を歩くわけではありません。自転車をこぐわけでもありません。バスと電車に揺られて通勤していくだけです。ですが、人混みが苦手なためでしょうか。毎朝、変な汗をかきます。

 

 おまけに今日は電車の中で突然背後から、「あの、すみません」と声をかけられました。慌てながらも状況を窺うと、ブーツのほどけた靴紐を私が踏んでいて、その声の主がその場から動けなくなっているようです。人生ではじめてブーツのほどけた靴紐を踏んでいた私はプチパニック状態になり、『ふぁ、ふぁひふぁひ』と謎の言葉を発しながら、左足をあげました。しかし、その方は電車を降りられません。足下を再度見ると、両足で靴紐を踏んでいました。やや周囲から注目を浴びます。見ている人の位置によっては、私が電車を降りようとしている方の手を強引に捕まえて、引き止めていると思われるかもしれません。恥ずかしさと焦りにより、おでこからも変な汗がでてきます。

 

 職場につくころには、熟成されたのでしょうか。『あれっ、クサっ』と思わずつぶやいてしまいました。普段なら気づかない自分の体臭で鼻がひん曲がるかと思いました。今日は変な汗をかきすぎました。