取るに足らない小噺ブログ

クスリとしていただきたくしょうもない小噺を提供します。

目洗い場

 小学生の頃、プールで泳いだあと、必ず眼を洗浄していた。シャワーの近くにある目洗い場で。目洗い場という名称が正しいかは定かではない。目洗い場には、先端が二股に分かれている蛇口があり、上向きに細い水流をつくる。その水流に見開いた目をあてる。目薬の一滴にすら臆するのに、垂れ流しの水流に目をあてるなんてとてつもない所業である。よくやっていたな。なぜ目を洗浄するのか、たしかこんな理由を聞いた覚えがある。プールには菌がウヨウヨいる。目に菌が溜まると炎症が起きる。例えばめぼのような。めぼって全国共通の言い方なのか。ものもらいというのか、めばちこというのか。話を戻す。よって、洗浄することで菌を洗い流すらしい。なるほど、納得いく理由だ。ところが、最近は目を洗わないらしい。理由は、目を洗いすぎると目の表面にある保護成分まで落としてしまい感染しやすくなる危険性があるから。なんてことだ。一生懸命痛い思いをして洗っていたのに…。時が流れると当然と思っていたことがそうでもなかったということがよくある。タイムマシンができたら、幼き自分に伝えなければ。