取るに足らない小噺ブログ

クスリとしていただきたくしょうもない小噺を提供します。

みんな気が合う

 自転車で小道を進んでいると前からおじいちゃんが自転車でやってきた。左側に避けようとすると、おじいちゃんも同じ側に避けようとしてきた。再度、反対側に避けようとハンドルを切る。同じタイミングでおじいちゃんもハンドルを切った。わおーって感じで私は停止した。我々が同じクルーで冒険に出て、どちらの道を行くか決断を迫られた時、すんなり意見が一致するに違いない。我々は気が合う。

 

 交差点の横断歩道を渡ろうとすると、車が左折してきた。私は、横断歩道を優雅に闊歩したかったので、お先にどうぞとドライバーに目配せした。すると、ドライバーは手でどうぞと私にジェスチャーを送ってきた。お互い譲り合いの精神である。いそいそと小走りで渡った。我々がラグビーで敵同士になったら、お互いトライで失点し続けるであろう。我々は気が合う。

 

 ファーストフード店で、券販売機のボタンを押した。『おやこ』と券売機は店内で叫んだ。店内で親子丼に舌鼓を打っていると、おっちゃんが来店した。券売機は『おやこ』と叫んだ。我々がデートをしてディナーをいただくことになったらお互いが文句を言うことはないだろう。我々は気が合う。

 

 世界は気が合う人で溢れている。