取るに足らない小噺ブログ

クスリとしていただきたくしょうもない小噺を提供します。

人目が気になる

 小心者の私は、人目がどうしても気になってしまいます。先日、自転車で進んでいくと赤信号が見えました。もうまもなく青に変わる様子だったので、ゆるりゆるりと進んで行きました。自転車というものは、スピードがある程度あるときはバランスが安定するものですが、ものすごくゆっくり進むとバランスが悪くなります。信号の手前で徒歩より遅く進みながら、ひっそりと静かにこけました。信号を待っていた親子が私に気付きました。こういうときの子どもというのは悪魔です。転んでいる私をじーっと見てきます。なんて恥ずかしいのでしょう。起き上がる間も子どもがこちらを見ている様子を周辺視野で感じます。計り知れない精神的ダメージを負い、その場から立ち去りました。

 

 昨日、駅前をサンダルで歩いていました。ゆるく履いていたからでしょうか、サンダルが脱げてその場にぽてんと落ちてしまいました。周りにはたくさん人がいます。先日の自転車ひっそりころげた事件のときの何倍もの視線が私に投げかけられます。普段なら、きゃー恥ずかぴー見ないでーとなって計り知れない精神的ダメージを負うのですが、この日はちっとも人目が気になりません。落ち着いたままサンダルを履いてその場を去りました。

 

 この二つのケースを分析すると、私が人目を気にしなくなる精神状態が分かります。人目を気にするのは、どうやら恥ずかぴーと思える精神的ゆとりがあるからだったようです。サンダル落とした事件のときは、水泳をした後でクタクタになっていました。脳が酸欠状態なのか咄嗟に物事を判断できません。このように精神的ゆとりを排除すれば(例えば疲れてクタクタになっているなど)、ちっとも人目が気になりません。とてつもない大発見です。毎日クタクタになれば、人目は気にならなくなるのです。

 

 クタクタになりましょう、人目がちっとも気にならなくなります。