取るに足らない小噺ブログ

クスリとしていただきたくしょうもない小噺を提供します。

シャンプーのコース

 かつて美容院を開拓するため、ふらっと近所を散歩した。見つけた店は、落ち着いた雰囲気で、美容師さんも気兼ねなく話せる。楽しくカットが進んでいく。あっという間に時間が経ち、シャンプーをする一角に移動することになった。

 

 シャンプーを担当してくださる方は、可愛らしい方だった。シャンプーをする前にどうしますか?と尋ねられた。シャンプーにどうするもこうもあるのか。どういうことか聞いてみると、弱め、ふつう、強めの三段階から選べるらしい。ふつうをお願いした。シャンプーが始まってすぐ、強めってどのくらいなのか気になり始めた。あのー、強めでお願いします。

 

 どこにそんな力があるのだろうか。そう思わずにはいられないほどぐりぐりやられた。ゲンコツの骨の部分を当てられている感覚。頭の皮膚が1cmくらい陥没しているんじゃないかと錯覚。すぐさま力弱く伝えた。ごめんなさい、やっぱふつうで。

 

 シャンプーの強さにコースがあるなんて贅沢だが、二度と強めは選ばない。