取るに足らない小噺ブログ

クスリとしていただきたくしょうもない小噺を提供します。

遅刻パニック劇場

 朝目覚めると7時30分だった。超パニック状態。8時30分までに職場に到着しなければならない。1年に1度くらいの割合でやらかしている寝坊パニック。今から支度をしてバスにのり、電車にのり、またバスにのるといういつものルートでは、間に合わない。どうしよう、どうしよう。

 

 家からタクシーで行けばギリ間に合うか。この迷っている時間ですら惜しい。タクシー会社に電話した。住所を伝える。「7分ほどで着きます。」「おっ、お願いします。」

 

 急いで顔を洗い、歯磨きして、着替える。すべてを5分以内にすませる。家を飛び出すとタクシーがいる。ダッシュで乗り込んだ。

 

 行き先を告げ、タクシーは出発した。「途中渋滞を避けるために迂回しますね。」ナビのルートから外れていく。遅刻スレスレのため、めちゃくちゃ不安。大丈夫なのか?こっそりスマホGoogleマップを見る。ルートどおり行けば到着時間にギリギリ間に合うのに。なぜ、ルートどおり行ってくれないんだ。泣きそう。しかし、すでにルートは外れている。到着時間が少し遅まった。間に合わねー。

 

 しかし、ここでタクシードライバーさんに「急いでくれ」とアクション映画のワンシーンのようなセリフを伝えても焦って事故になる可能性が増えるだけだ。心臓はバクバク、嫌な汗は止まらなかったが、表情は仏のようにしていた。

 

 職場が近づいてきた。あれれ、もしやもしや、これ間に合うぞ。タクシードライバーさんはすごい人だった。なんとナビが初めに示した到着時間よりはやく到着した。それでも遅刻ギリギリではあるのだが…。料金は6200円だが、感動した。「また、困ったときはいつでも呼んでください。」そう言われなかったけど、そう聞こえた気がした。

 

 職場の自分の席に余裕綽々なフリしてついた。仕事の準備をしようとしたら、今日は臨時日程だということを知った。8時30分に別に間に合わなくてよかったようだ。

 

 朝の1人パニック劇場はこれにて終焉。