取るに足らない小噺ブログ

クスリとしていただきたくしょうもない小噺を提供します。

久方ぶりのサウナ

 久しぶりにサウナに行った。これといって世間の皆々様ほど、身を粉にして働いているわけではないが、それなりの悩みやストレスは抱えている。サウナでそれらを消し去ろうではないか。

 

 サウナの中で、汗が全身を覆う。身体の中から悪いものがすべて出ていき、蒸発していくようだ。オリンピックのハイライトがテレビで流れている。私の他に3人のサウナーがいた。テレビを見ている人。目を瞑り、芸術作品のように座っている人。頭を垂れてじっとしている人。我々はみな、それぞれの日常を抱えて静かに汗を流す。

 

 ジュワーっと音がした。蒸気が補充されたようだ。熱気が室内に広がっていく。ちょ、ちょ、ちょい待ち。おかしい。熱気なんてものじゃない。火傷するんじゃないか。耳やら顔の繊細なところが痛い。息吸えないぞ。殺傷能力あるんじゃないか?蒸気が出てくるところに近い人がサウナから出ていく。アチアチと言いつつ、もう一人でていく。もう一人も足早にでていく。私も耐えきれず出ていく。

 

 蒸気の温度おかしいでしょ、サウナで死にかけた。