野球は危険を伴うスポーツである。ボールがぶつかったり、選手同士がぶつかったりすることがある。ゆえに声かけはとても大切である。私はセカンドのポジションを守っていた。ランナーがいるとき、牽制がきたり、ゲッツー狙ったり、ホームで刺そうとしたり、もう何がなんやらさっぱりピーマンである。
フライが高々と上がった。落下地点は私の後方だ。ボールを見ながらバックする。ボールが消えた。気づいたときには地面でバウンドしていた。エラーである。
再度フライが上がった。またしても落下地点は私の後方だ。今度は絶対にとる。やる気充分である。センターから声が聞こえた。「オーライ」とても大きな声だ。センターからボールを追いかける方が前方に進めるので、後方のボールを追うセカンドより取りやすい。しかも、私は先ほどエラーしている。エラーの危険性がある。
私の脳はすでにセカンドというポジションの複雑さにやられていた。脳の命令は、『ボールを絶対にとれ』だった。センターの掛け声を無視して、センターにタックルをしつつ、ボールをキャッチした。
怪我がなくてよかったですが、野球が危険なスポーツだと再認識した次第です。ていうか、余裕のある判断ができるようになりたいです。
