取るに足らない小噺ブログ

クスリとしていただきたくしょうもない小噺を提供します。

赤ちゃんに対する自負

 我が自慢の妹には、愛くるしい生後5ヶ月の娘がいます。叔父さんになってはや5ヶ月。時の移ろいは、とんでもなくはやいものだとしみじみ思います。

 

 私には、赤ちゃんに慕われやすいという自負があります。さかのぼること5年ほど前、宮島に向かうフェリーの中で、私の2つ前の座席に、お母さんが座っていました。そのお母さんは赤ちゃんを抱いていました。赤ちゃんの顔は、お母さんの肩の上から出ており、私の面と赤ちゃんの面は、対面になっていました。私は極度の人見知りですが、時々イタズラをしたくなる衝動に駆られます。この日は、イタズラをしたい衝動が人見知りの私に打ち勝ちました。

 

 私は赤ちゃんに変顔を見せました。今この文章を綴りながら、過去の自分の異常行動を振り返り、寒気がしました。しかし、赤ちゃんは、とてつもなくいい人だったので私の顔を見ながら、声をあげて笑いました。お母さんは驚いていますが、まさか自分のうしろで変顔しているおじさんがいるとは思わなかったようです。赤ちゃんが何に笑っているのか不思議そうです。調子にのった私はまた変顔をしました。またも赤ちゃんは笑いました。お母さんはまたしても不思議そうにしていました。この経験で、私の脳には、『赤ちゃんは私の顔を見ると笑う』という公式が完成しました。

 

 さて、叔父さんになった私は、寅さんのように突然実家に立ち寄ったとき、たまたまめいと居合わせました。赤ちゃんに慕われやすいという自負のある私は、めいが笑ってくれるだろうと、内心自信満々で抱き抱えました。めいは、普通に泣き始めました。我が公式は、あっけなく崩れ去りました。

 

 赤ちゃんにびびる変な叔父さんです。