取るに足らない小噺ブログ

クスリとしていただきたくしょうもない小噺を提供します。

私は時々透明人間

 自動ドアの前に立つ。なぜだろう、ドアが開かない。センサーらしきものを見つけ、近づいたり離れたり体を揺さぶってみたりしてようやく反応。次に通り過ぎる人を見ていたがスムーズにドアは開いていた。

 

 朝の通勤ラッシュ。駅ですれ違う人々。前から人波が押し寄せてくる。私の前方から向かってくる人たちは突き進んでくる。流れを乱す様子はない。私は身を捩ってはかわし、捩ってはかわしで、なんとかやり過ごす。

 

 歩道を歩いている。前から2人組が歩いてくる。2人組は横に広がって向かってくる。フォーメーションを崩す気配はない。私は避けようとして歩道の端に寄ったが、ぶつかりそうになってバランスを崩し、車道に落ちてしまった。

 

 時々私の姿は周囲から見えなくなるんだと自覚している。