取るに足らない小噺ブログ

クスリとしていただきたくしょうもない小噺を提供します。

ハリーポッターと同じ誕生日のマグル

 動物園にいる動物が数多いる人の中から私を選び、反応したことはない。私から動物に対してアクションを起こすこともそもそもそんなにないのだが…。

 

 私の生まれ育った実家から最も近い動物園は、安佐動物園である。そこにいる動物たちも私の相手はしてくれない、ただ一羽を除いては…。

 

 その一羽は、フクロウである。安佐動物園の深淵にいるフクロウの前に、人だかりができているのを見たことがない。私にとって居心地のよい場所である。フクロウは私に対して反応を示してくれる。

 

 私が塀の前で左右に行ったり来たりすると、フクロウは、そのとてつもなく可動域のある首をグルングルンと回し、私を追いかけてくるのだ。

 

 私はハリーポッターと同じ誕生日である。そのため、魔法使いたちと同様、フクロウと心通わせることができるのだ。

 

 何ヶ月か前に両親がフクロウを片手にのせている写真を送ってきた。かくして、私もフクロウカフェに淡い期待を抱きつつ、赴くことにした。