取るに足らない小噺ブログ

クスリとしていただきたくしょうもない小噺を提供します。

島の夜道のランニング

 島に住みはじめて1ヶ月が経過した。朝の7時に島内放送?が流れ、スーパーは21時までに閉まる。コンビニらしきお店も17時には閉まっている。太陽のサイクルに合った生活をしている。

 

 夜、ランニングをしようとして家を出た。街灯が少ないせいか、道が暗い。そのため、足下が見えにくい。慎重にゆっくりと進んでいく。イノシシがいるという情報も島民からきいていた。

 

 3kmくらい走ったことをApple Watchで確認した。折り返して、暗い道を進んでいく。ふと、視界の左下でもそっと何かが動いた。私からわずか1mくらいの距離だ。驚いた私は、わああーと声をあげた。静かな島に響く私の悲鳴。32年の人生で、数えるほどしかしたことがない悲鳴。これがテレビ番組のドッキリ企画なら、とてもいいリアクションだったと思う。変なポーズで飛び跳ねた。

 

 もそっの正体は警戒心ゼロの野良犬だった。野生の本能を忘れているのか、私を驚かしてニヤニヤしていたのかは分からないが、落ち着き払っている。私の方が草食動物的な野生の本能を明らかに働かせている。野良犬は、ユラユラと暗闇に姿を消していった。

 

 島の夜道のランニングでは、野生の本能も鍛えられる。