取るに足らない小噺ブログ

クスリとしていただきたくしょうもない小噺を提供します。

私にとってのフットサル

 高校時代の友人とフットサルをする約束をした。とあるフットサル場で開催している個人参加のものにそれぞれで申し込み、当日現地で落ち合う予定だった。べつに部活動でサッカーをしていたわけではない。私のサッカーは、近所の橋の下で一人ひたすらリフティングだけをして培われただけのものだ。すなわち、一切のチームプレーができない。私のサッカーは通用するのだろうか。まあ、友人がいるので楽しくやればいいやと思っていた。

 

 開催15分前、友人から連絡がきた。お仕事により来られなくなったということだ。私は不安と孤独の中、フットサルがはじまるのを待っていた。

 

 ついにはじまった。4対4形式で試合を何度も繰り返していくらしい。みなさん、お上手だ。そして優しい。突然パスをくれる。私はビビってボールを止めようとするが、あらぬ方向にボールがとんでいった。しかし、優しいので何度もパスをくれる。私にできることは走り回ることだけだ。どこを走ればいいかなんて分からないが、とにかく走り続けた。

 

 フットサルというスポーツはとてつもなくきつい。ずっと走り続けていた。このような状況に陥るのには、メカニズムがある。まずは下手くそだと貢献できない罪悪感を抱く。続いて、その罪悪感から逃れるには苦しさでごまかすしかない。ゆえにずっと走る。もう、負のエネルギーにつかまらないために走り続ける。これがフットサルだ。

 

 私の気持ちは身体よりはるかに前を走った。ゆえにふくらはぎをつった。久しぶりに足をつった。

 

 つってもなお走り続けた。私のフットサルは、迷惑をかける申し訳なさから逃れるために走り続けるものだった。チームスポーツは向いていないようだ。