取るに足らない小噺ブログ

クスリとしていただきたくしょうもない小噺を提供します。

お洒落な美容院で

 特異体質なのか緊張したとき、そして柑橘類を食べると鼻の頭から汗が噴き出る。周りの人に聞いてもそんなことはないと言われる。私だけなのかしら?

 

 最近は坊主頭にするので、マイバリカンで自ら髪の毛を刈る。しかし、かつては美容院に行っていた。髪型で雰囲気イケメンを目指していたのだ。美容院はお洒落な雰囲気のところが多い。残念なことに私は、お洒落な雰囲気に対して抵抗がある。この原因はいくつか考えられるが、一番は『おまえみたいなやつ(お洒落じゃないやつ)がこの店に来るのかよ。あんたにこの店は似合わないぜ。』というようなことを店員さんが思っているのではないかという疑念をいだくからである。自意識過剰である。店員さんに確認したことはないので真相は分からないが、おおかた予想通りではないかとも思う。すると妙に緊張して鼻の頭から汗が噴き出るのだ。

 

 美容院で鼻の頭に汗をかくとえらいことになる。前髪をきってもらうとき、本来なら床に落ちるはずの髪の毛が鼻の頭にくっつくのである。鏡に映る顔を見てさらに恥ずかしい思いをして鼻からの汗は止まらなくなる。気を使ってくれる美容師さんは小さいほうきみたいなやつで鼻の頭を払ってくれるが、汗でなかなかとれない。さらに恥ずかしくなりやめてくださいと心で思う。

 

 ビタミン豊富なジュースを飲み、鼻の頭に汗をかきながらふと思い出した小噺である。